臨床試験情報

登録受付中の臨床試験

登録受付中の臨床試験

観察研究WJOG18824G (CAPPUCCINO)

切除不能胃・食道胃接合部腺癌間質におけるCaveolin-1の発現状況とナブパクリタキセル+ラムシルマブ療法の有効性に関する後方視的検討

宗 英一郎
慶應義塾大学病院
消化器内科
Point
本研究は、切除不能胃・食道胃接合部腺癌の腫瘍間質におけるCaveolin-1 (Cav-1)の発現と、ナブパクリタキセル (nab-PTX)+ラムシルマブ(RAM)の有効性との関連を明らかにすることを目的としています。切除不能胃・食道胃接合部腺癌の一次治療では、HER2、CLDN18.2の発現に基づく治療戦略が確立されています。一方、二次治療においてはパクリタキセル (PTX)+ラムシルマブ (RAM)あるいはnab-PTX+RAMが用いられていますが、効果予測バイオマーカーは確立されていません。nab-PTXは、内因性アルブミン経路においてCav-1を介して腫瘍細胞に取り込まれると考えられています。そこで、私たちは腫瘍間質におけるCav-1高発現ではnab-PTXの取り込みが亢進し、治療効果が高まる一方、Cav-1低発現では効果が低下するという仮説を立てました。本研究では、胃癌のアーカイブ組織を用いてCav-1の免疫染色を行い、腫瘍間質におけるCav-1発現に応じたnab-PTX+RAMとPTX+RAMの治療効果を比較します。本研究で仮説が立証されれば、胃癌の二次治療においてCav-1の発現に基づく新たな治療戦略の構築につながり、予後向上が期待されます。さらに、将来的には他癌腫にも応用できる可能性があります。

第III相WJOG16923L (STEP UP trial)

臨床病期IA3期の肺野末梢充実型非小細胞肺癌に対する肺葉切除と区域切除のランダム化比較第Ⅲ相試験

上垣内 篤
広島大学病院
呼吸器外科
Point
最近発表された大規模臨床試験(JCOG0802/WJOG4607L)により、肺野末梢の2 cm以下の肺癌に対しては、肺の切除範囲が少ない「区域切除」が従来の標準手術である「肺葉切除」と比較して予後が劣らないばかりか、優れることが示されました。肺癌以外の他病死が「区域切除」で少なく、肺の温存により身体への負担が軽減され、予後の向上に貢献したと考えられています。さらに、悪性度が高いと考えられている薄切CT上の充実型肺癌に対しても区域切除による生存利益を認め、2cmを超える充実型肺癌にも区域切除を適応できる可能性が示唆されています。一方で区域切除では局所再発のリスクが高まる可能性もあり、区域切除と肺葉切除のどちらが有効な治療法かは不明です。そこで本試験は臨床病期IA3期(2 cmを超え3 cm以下)の肺野末梢充実型非小細胞肺癌の患者さんを対象として、区域切除の臨床的有用性を、標準治療である肺葉切除と比較し評価することを目的としています。本試験の結果により、早期肺癌の患者さんに対し、より有効で身体への負担が少ない手術法が確立されることを期待しています。

第II相医師主導治験WJOG14020B (OPERETTA)

gBRCA1/2遺伝子変異を有するトリプルネガティブ原発乳がんに対するプラチナ製剤、PARP 阻害剤および抗 PD-1抗体薬を用いた新規術前および術後補助療法を評価する第Ⅱ相多施設共同医師主導治験

高橋 侑子
岡山大学病院
乳腺・内分泌外科
Point
再発高リスクの臨床病期IIーIII期のトリプルネガティブ乳(TNBC)ではKEYNOTE522試験結果から免疫チェックポイント阻害剤を含めた術前および術後補助療法が標準治療となっています。また、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の原因であるgBRCA1/2遺伝子変異は、TNBC全体の15〜19.5%に認められるとされており、gBRCA1/2遺伝子変異を有するTNBCに対して、ポリアデノシン二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬による治療が、再発高リスクの方に標準治療の一つとして術後療法として選択されますが、このPARP阻害薬やプラチナ製剤のTNBCの術前療法での有効性に未だ一定の見解が得られていません。本研究は、TNBCのうち、gBRCA1/2遺伝子変異を有するTNBCに注目して、これまで有効性が期待されるPARP阻害薬やプラチナ製剤、およびタキサン療法に免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせて術前から治療することで、ターゲットを絞った個別化治療により治療効果が高まることを期待しています。