医療関係者の方へ

WJOGを通して臨床試験に関わる方法

臨床試験とは、新しい薬や手術、放射線治療などを用いた新しい治療やそれらの組み合わせで行われる治療法などに対して、その効果や安全性について確認するために行われる試験のことです。がん治療は今までに臨床試験によって治療成績が年々向上してきています。

WJOGは臨床試験を立案、企画、実施していく組織です。WJOGの使命の本丸であり、私達会員は、WJOGの臨床試験に関与していくことが求められています。

臨床試験に関わる方法としては、(1)症例登録して実際に試験を遂行する研究分担業務 (2) 臨床試験を立案、企画から運営していく事務局業務があります。WJOGに参加して実際に臨床試験に関わる方法について解説します。

(1)臨床試験に分担医師として参加する方法

WJOGでは今後医学の進歩につながると考えられる臨床試験が登録中もしくは登録開始予定です。これらの臨床試験は、実施計画書(プロトコール)に参加施設が記載されています。ご自身の所属される施設が研究参加施設であれば、その試験には登録が可能となります。施設によっては、分担医師への登録が必要となる場合がありますので、診療科代表者か連絡責任者に確認してください。

参加施設に入っていない場合は、まずはWJOG事務局に参加申込を行う必要があります。施設長の許可など、様々な事務手続きが必要となります。また、臨床試験を行うに当たり、院内で多くの部門の協力が必要となります。施設内に臨床試験や治験を担当する部門がある場合は、協力が得られるかどうか、院内倫理審査委員会の対応は誰がどのように行うか、などの調整も必要になります。

(2)臨床試験を立案、企画から運営していく方法

臨床試験を実行していくためには、まずはどのような臨床的疑問があるのか、それをどのように解決していくのかを明らかにしなければなりません。事務局業務はとても複雑で、多くの知識と経験が必要になります。臨床試験の作法や企画、アイデアをねっていく作業は日常の臨床とは異なる特殊なトレーニングが必要となります。

WJOGには3つの臓器グループがあり、それぞれに若手医師が中心となって臨床試験を作り上げていく、将来の研究事務局を目指すグループがあります。WJOGの正会員で原則40歳以下が条件となっています。臨床試験事務局を目指したい方はぜひ若手の会への参加を考えてみてください。

また、WJOGでは「虎の穴」という臨床試験の立案・企画についての研修合宿を行っています。興味はあるけどどうしたらわからない方、Key opinion leaderと近づきになりたい方は、ぜひ参加をご検討ください。

どんな臨床試験も、企画して実行していくことはとても大変なことです。WJOGでは志を同じくする同世代の仲間と切磋琢磨しながら、臨床試験を行って最終的にはガイドラインを書き換えて臨床そのものを変えていくことが夢ではありません。ホームページにあるコンテンツで十分にご確認のうえ、ぜひご入会ください。