委員会

バスケット委員会

委員長よりご挨拶

この2023年6月よりバスケット委員会委員長を拝命致しました、近畿大学医学部内科学腫瘍内科の林 秀敏(はやし ひでとし)と申します。

バスケット委員会はこれまでの臓器別委員会の枠組みを超えて治療開発が必要である希少がんや、遺伝子変異などのバイオマーカー特異的ながんを対象とした研究を行うグループです。WJOGではこれまで肺がんや消化器がん、乳がんにおいて新しい治療方法の開発などの研究を行ってきましたが、近年では分子標的治療薬の対象となりうる特定の遺伝子異常ががんの種類に関わらず起こり得ることが知られています。がんの種類でなく遺伝子異常などのがんの特徴に注目した治療戦略の必要性が高まっており、実際にNTRK融合遺伝子陽性固形癌などに対するNTRK阻害薬など、がん種に限らない薬剤の保険適用も成し遂げられています。そうしたがん種を超えて特定の患者さんを対象とする治療薬を開発する臨床試験はバスケット試験と称されますが、そのバスケット試験や希少がんを中心とした臨床研究を円滑に遂行するグループがバスケット委員会です。

バスケット委員会では既にALK融合遺伝子陽性固形癌、EGFR増幅固形癌、HER2遺伝子変異陽性固形癌に対する3つの医師主導臨床研究(2つの医師主導治験を含む)を行っております。加えて希少がんである原発不明がんに対しても既に医師主導治験を完遂し、これまで開発治験を行うのが困難とされてきた希少がんの患者さんに対してより良い治療を提供できるように活動しております。

がん治療の進歩ためには既存の仕組みを超えた発想も必要であり、バスケット委員会ではリモート治験やマスタープロトコール、固形癌に対する簡便な遺伝子変異同定プログラム開発など様々な試みを行っております。また毎月行われているアドバイザー会議では様々なバックグラウンドを有する医師が議論を重ねてます。バスケット委員会の取り組みに興味のあるもしくはバスケット試験に関わりたいという皆様方には是非我々にご参加ください!

バスケット委員会 委員長

林 秀敏

所属メンバー

  • Hidetoshi Hayashi
    委員長

    Hidetoshi Hayashi

    林 秀敏

    近畿大学病院
    腫瘍内科

  • Toshiki Masuishi
    副委員長

    Toshiki Masuishi

    舛石 俊樹

    愛知県がんセンター
    薬物療法部

役職臓器氏名施設名診療科名
アドバイザー呼吸器山本 信之和歌山県立医科大学附属病院呼吸器内科・腫瘍内科
アドバイザー消化器室 圭愛知県がんセンター薬物療法部
アドバイザー呼吸器岡本 勇九州大学病院呼吸器内科
アドバイザー乳腺高野 利実がん研究会有明病院乳腺センター・乳腺内科
アドバイザー呼吸器中川 和彦近畿大学病院がんセンター
アドバイザー呼吸器瀬戸 貴司九州がんセンター呼吸器腫瘍科
アドバイザー消化器馬場 英司九州大学病院血液・腫瘍・心血管内科
アドバイザー消化器砂川 優聖マリアンナ医科大学病院腫瘍内科
アドバイザー呼吸器釼持 広知静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科
アドバイザー乳腺松本 光史兵庫県立がんセンター腫瘍内科
アドバイザー(泌尿器)三浦 裕司がん研究会有明病院総合腫瘍科
アドバイザー呼吸器清水 俊雄関西医科大学附属病院国際がん新薬開発センター

実施中の臨床試験