観察研究WJOG18824G(CAPPUCCINO)
切除不能胃・食道胃接合部腺癌間質におけるCaveolin-1の発現状況とナブパクリタキセル+ラムシルマブ療法の有効性に関する後方視的検討
フェーズ | 観察研究 |
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目標症例数 | ナブパクリタキセル+ラムシルマブ 500症例 パクリタキセル+ラムシルマブ 500症例 |
登録期間 | 2024年12月~2025年6月 |
対象 | 2018年1月から2023年12月にかけてnab-PTX+RAM療法あるいはPTX+RAM療法が開始された切除不能胃・食道胃接合部腺癌患者 |
Point
宗 英一郎
慶應義塾大学病院- 本研究は、切除不能胃・食道胃接合部腺癌の腫瘍間質におけるCaveolin-1 (Cav-1)の発現と、ナブパクリタキセル (nab-PTX)+ラムシルマブ(RAM)の有効性との関連を明らかにすることを目的としています。切除不能胃・食道胃接合部腺癌の一次治療では、HER2、CLDN18.2の発現に基づく治療戦略が確立されています。一方、二次治療においてはパクリタキセル (PTX)+ラムシルマブ (RAM)あるいはnab-PTX+RAMが用いられていますが、効果予測バイオマーカーは確立されていません。nab-PTXは、内因性アルブミン経路においてCav-1を介して腫瘍細胞に取り込まれると考えられています。そこで、私たちは腫瘍間質におけるCav-1高発現ではnab-PTXの取り込みが亢進し、治療効果が高まる一方、Cav-1低発現では効果が低下するという仮説を立てました。本研究では、胃癌のアーカイブ組織を用いてCav-1の免疫染色を行い、腫瘍間質におけるCav-1発現に応じたnab-PTX+RAMとPTX+RAMの治療効果を比較します。本研究で仮説が立証されれば、胃癌の二次治療においてCav-1の発現に基づく新たな治療戦略の構築につながり、予後向上が期待されます。さらに、将来的には他癌腫にも応用できる可能性があります。